内シャント造設術
内シャント造設術は、血液透析を継続していくために不可欠な血液の出入り口を作るための手術です。腎機能が低下し、人工透析が必要になった患者さんが、安全かつ効率的に血液を循環させるためには、通常の血管では不十分なため、動脈と静脈をつなぎ合わせる処置を行います。東京都足立区竹の塚にある当院では、泌尿器科と腎臓内科が密接に連携し、透析導入前から手術、その後の維持透析までを一貫してサポートできる体制を整えています。患者さんの血管の状態を精密に評価し、長く使い続けられるシャントを作成することを何よりも大切にしています。また、手術への不安を少しでも和らげるよう、丁寧な説明と痛みに配慮した治療を心がけています。透析治療は長く続くものだからこそ、私たちは最初のステップであるシャント造設において、患者さんの将来を見据えた高度な医療を提供することをお約束します。
内シャント造設術の施術について
内シャント造設術は、血液透析において一度に大量の血液を体外に取り出し、浄化して体内に戻すためのバスキュラーアクセスを確保する手術です。一般的に、手首付近の動脈と静脈を皮下で直接つなぎ合わせることで、静脈に動脈の強い血流が流れ込むようにします。これにより、透析の針を刺しやすく、十分な血流量を確保できる太い血管へと成長させていきます。
なぜ手術が必要なのか
私たちの通常の静脈は壁が薄く、透析で必要とされる毎分200ミリリットル前後の血液を取り出すと、血管が潰れてしまいます。また、針を刺すたびに血管が傷つくため、そのままでは長期間の透析に耐えられません。そこで、動脈の血流を静脈に流すことで、静脈の壁を厚くし、血流の豊富な血管を作り出す必要があります。
透析を開始する数週間から1ヶ月ほど前にこの手術を行い、血管が十分に成長するのを待ちます。これをシャントの発育と呼び、透析をスムーズに行うための準備期間となります。
人工透析についての詳細は「人工透析」のページを参照してください。
手術の具体的な種類
患者さんの血管の状態により、いくつかの手法を使い分けます。基本的にはご自身の血管を使用しますが、血管が細い場合などは他の選択肢も検討します。
- 自己血管内シャント造設術・・最も一般的な方法で、ご自身の腕の動脈と静脈をつなぎます。感染に強く、長持ちしやすいという特徴があります。
- 人工血管移植術・・自身の静脈が細い、あるいは過去の手術により使用できない場合に、人工の管を皮下に埋め込んで動脈と静脈をつなぎます。
- 表在化動脈・・心機能が弱くシャントを作ると心臓に負担がかかる場合などに、深いところにある動脈を皮膚の近くに持ち上げる手術です。
手術の具体的な流れ
内シャント造設術は、一般的に局所麻酔下で行われます。手術時間は血管の状態にもよりますが、通常は1時間から2時間程度で終了します。患者さんは意識がある状態ですが、痛みを感じないよう十分に配慮して進めていきます。切開する範囲は数センチ程度で、傷跡も時間の経過とともに目立たなくなります。
手術中は、顕微鏡や拡大鏡を使用して、細い血管を非常に精密に縫い合わせていきます。つなぎ合わせた瞬間に、静脈へ動脈の血流が流れ込み、独特の振動(スリル)が指先で感じられるようになります。これが血流の疎通を確認する重要なサインとなります。術後は血管を圧迫しないように注意し、数日間は安静を保ちながら経過を観察します。
当院で行っている手術についての詳細は「当院で行っている手術」のページを参照してください。
シャントを長持ちさせるための管理
作成したシャントは、透析患者さんにとっての命綱です。日々の生活でシャントを大切に扱うことが、合併症を防ぎ、透析生活の質を維持することにつながります。術後は、血管が詰まったり細くなったりしていないか、ご自身でも毎日確認していただくことが大切です。
シャント管理のポイント
- 音と振動の確認・・シャントの上に軽く手を触れて、ザーザーという振動があるか、耳を当てて音が聞こえるかを毎日チェックします。
- 圧迫の回避・・シャントがある腕を枕にして寝たり、重い荷物を腕にかけたり、きつい袖の服を着たりすることは避けてください。
- 血圧管理・・過度な血圧の低下はシャントが詰まる原因になります。急激な脱水や血圧変動には注意が必要です。
- 清潔の保持・・透析の針を刺す場所なので、感染を防ぐために腕を清潔に保ち、傷を作らないように気をつけます。
シャント管理についての詳細は「シャント管理」のページを参照してください。
シャントのトラブルと対応
どれほど丁寧に管理していても、長年使用しているとシャントに狭窄(細くなること)や閉塞(詰まること)が起こる場合があります。血管が細くなると、透析中に十分な血液が取れなくなったり、静脈圧が上昇したりします。このような予兆が見られた場合には、早急な対応が必要です。
当院では、シャントのトラブルに対して、皮膚の上からカテーテルという細い管を入れ、風船で膨らませて血管を広げる経皮的シャント拡張術(PTA)を行っています。これにより、再度手術をして新しいシャントを作るリスクを減らし、現在あるシャントを延命させることが期待できます。定期的な超音波検査により、自覚症状が出る前の早期発見・早期治療に努めています。
PTAの詳細については「経皮的シャント拡張術・血栓除去術(PTA)」のページを参照してください。
内シャント造設術についてのよくある質問
Q1. 手術は痛いですか?
A1. 手術は局所麻酔をして行います。麻酔の注射の際にチクッとする痛みはありますが、手術中にメスを入れたり血管を縫ったりする際に痛みを感じることはありません。術後、麻酔が切れた後に鈍い痛みが出ることがありますが、痛み止めで十分にコントロールできる範囲です。
Q2. 手術後、いつから透析に使えますか?
A2. 血管が成長して針を刺せるようになるまで、通常は2週間から4週間程度の期間を置くのが理想的です。ただし、緊急で透析が必要な場合は、別の方法でアクセスを確保しながら血管の発育を待つこともあります。
Q3. 手術後の入院は必要ですか?
A3. 患者さんの全身状態や経過にもよりますが、当院では入院による手術にも対応しています。術直後の出血や血流の状態を専門スタッフがしっかりと確認できるため、安心して手術を受けていただけます。
Q4. シャントの寿命はどのくらいですか?
A4. 自己血管の場合は数年から10年以上使い続けられる方もいらっしゃいます。一方で、人工血管の場合は数年でメンテナンスが必要になることが多いです。日々の管理と、定期的な検査によるメンテナンスで長持ちさせることが可能です。
当院でおこなっている内シャント造設術の診療について
勝和会病院では、透析導入が必要と診断された段階から、患者さん一人ひとりのライフスタイルや血管の状態に合わせた最適なバスキュラーアクセスを検討します。当院の強みは、泌尿器科的アプローチによる精密な手術と、腎臓内科・透析スタッフによる術後のきめ細かなフォローアップが一体となっている点です。竹ノ塚駅から徒歩13分の立地にあり、地域の患者さんが通いやすい環境を整えています。
透析室にはリクライニングベッドや専用テレビ、Wi-Fiを完備しており、手術からその後の維持透析までを快適に過ごしていただけるよう配慮しています。シャントの不具合を感じた際には、速やかに超音波検査を行い、必要であれば即座にPTAなどの処置を検討できる体制を維持しています。患者さんが安心して治療を続けられることを第一に考え、多職種が連携してサポートいたします。
慢性腎臓病などの基礎疾患がある方は「慢性腎臓病」のページも併せてご覧ください。

