尿路感染症
尿路感染症は、尿の通り道である尿道や膀胱、腎臓などに細菌が入り込み、炎症を起こす病気の総称です。日常生活の中で「トイレが近い」「排尿のあとに痛みがある」といった違和感から始まることが多く、特に女性に多く見られる疾患ですが、放置すると重症化して発熱や背中の激痛を伴うこともあります。東京都足立区竹の塚にある勝和会病院では、泌尿器科の専門診療を通じて、これらのつらい症状を的確に診断し、速やかな改善を目指しています。当院では患者さんの不安に寄り添い、なぜ感染を繰り返してしまうのかという根本的な原因まで含めて丁寧に診療いたします。竹ノ塚駅から徒歩13分の立地にあり、地域の皆さんが安心して相談できる環境を整えておりますので、尿の悩みを感じたら我慢せずに私たちにご相談ください。
尿路感染症の症状について
尿路感染症の症状は、細菌がどこで炎症を起こしているかによって異なります。一般的に多く見られるのは膀胱炎による症状ですが、細菌が腎臓まで達すると全身症状が現れるため注意が必要です。
日常生活で気づきやすい初期症状
多くの患者さんが最初に感じるのは、排尿に関連する違和感です。具体的には以下のような症状が挙げられます。
- 頻尿・・何度もトイレに行きたくなり、行ったばかりなのにすぐ尿意を感じる。
- 排尿痛・・おしっこの終わり際に、しみるような痛みやツンとした痛みがある。
- 残尿感・・尿を出し切った感じがせず、すっきりしない。
- 尿の濁り・・尿が白っぽく濁ったり、ツンとする強い臭いを感じたりする。
- 血尿・・尿に血が混じり、ピンク色や赤色に見える。
注意が必要な全身症状
炎症が上部の腎臓まで広がると、尿の異常だけでなく全身に強い症状が出ることがあります。このような場合は、早急な医療機関への受診が求められます。
- 高熱・・38度以上の熱が出て、激しい震えや寒気を伴う。
- 背中や腰の痛み・・左右どちらかの背中から腰にかけて、叩くと響くような鋭い痛みがある。
- 吐き気や倦怠感・・全身がだるく、食欲が落ちたり吐き気を感じたりする。
これらの症状は、ご自身で判断して放置すると「菌血症」という命に関わる状態に進行するリスクもあります。特に高齢の方や持病がある方は症状が分かりにくい場合もあるため、少しでも普段と違うと感じたら受診を検討してください。詳しい症状の相談については「排尿障害」のページも参考にしてください。
尿路感染症の原因について
尿路感染症の主な原因は、外部から尿道を通って侵入する細菌です。本来、尿路は尿の流れによって細菌が洗い流される仕組みになっていますが、何らかの理由で菌がとどまり、増殖することで炎症が起こります。
細菌の侵入と増殖
原因となる菌の約8割は、腸内に生息している「大腸菌」です。肛門の周りにいる細菌が、何らかの拍子に尿道の入り口に付着し、そこから逆流するように膀胱へと進んでいきます。特に女性は男性に比べて尿道が短く、細菌が膀胱に到達しやすいため、膀胱炎になりやすい構造的な特徴があります。
身体の抵抗力の低下
健康な状態であれば、少量の菌が侵入しても自身の免疫力で抑え込むことができます。しかし、疲れが溜まっているときや、睡眠不足、風邪をひいているときなどは、細菌に対する抵抗力が弱まり、感染しやすくなります。これを「原因となりやすい要素」と呼び、再発を繰り返す一因にもなります。
尿の流れを妨げる要因
尿がスムーズに排出されない状態は、細菌にとって絶好の増殖場所となります。例えば、水分不足で尿量が減っている場合や、長時間トイレを我慢する習慣がある場合は注意が必要です。また、男性の場合は「前立腺肥大症」のページで解説しているような病気が隠れていることがあり、尿が残ることで感染を引き起こしやすくなります。
尿路感染症の病気の種類について
尿路感染症は、炎症が起きている部位によっていくつかの病名に分けられます。それぞれの病気によって治療の緊急度や期間が異なります。
膀胱炎
尿路感染症の中で最も頻度が高いものです。尿道から入った菌が膀胱で増殖し、粘膜に炎症を起こします。女性に圧倒的に多く、一生のうちに一度は経験するとも言われています。適切な治療を受ければ短期間で症状の緩和を目指しますが、繰り返しやすいのが特徴です。
腎盂腎炎
膀胱にいた細菌が尿管をさかのぼり、腎臓にある「腎盂(じんう)」という場所にまで達して炎症を起こした状態です。背中の痛みや高熱を伴い、重症化すると入院治療が必要になることもあります。治療後の経過を良好にするためには、早期に強力な抗菌薬治療を開始することが重要です。
尿道炎
主に尿道に炎症が起きる状態で、排尿時に強い痛みを感じたり、膿が出たりすることがあります。細菌感染のほか、性感染症が原因となるケースも多いため、パートナーと一緒に治療を検討する必要がある場合もあります。
前立腺炎
男性特有の病気で、膀胱のすぐ下にある前立腺に細菌が感染して起こります。急性の場合は激しい痛みと発熱を伴い、慢性の場合は鈍い痛みや不快感が長く続くことがあり、根気強い治療が必要です。当院の専門分野である「泌尿器科」のページでも詳しく対応について説明しています。
尿路感染症の治療法について
当院での尿路感染症の治療は、原因となっている細菌を特定し、それを退治する薬物療法を基本としています。また、再発を防ぐための生活指導にも力を入れています。
薬物療法(抗生剤の使用)
細菌を殺すための「抗菌薬(抗生剤)」の内服が中心となります。通常、膀胱炎であれば数日の服用で劇的に良くなりますが、自己判断で服用を中止してはいけません。菌が完全に死滅していない状態で薬をやめると、耐性菌(薬が効きにくい菌)が生まれるリスクがあるため、処方された分は最後まで飲み切ることが大切です。
水分摂取と排尿の習慣
治療中は意識的に水分を多く摂り、尿の回数を増やすことをお勧めしています。これにより、物理的に膀胱内の細菌を外へ洗い流す効果が期待できます。また、尿意を我慢せず、こまめにトイレに行く習慣を身につけることも、再発防止には精密な対策となります。
原因疾患の精密な検査
何度も感染を繰り返す場合や、男性の感染症の場合は、尿路に何らかの異常が隠れている可能性があります。当院ではマルチスライスCTや超音波診断装置などを用いて、尿管結石や前立腺肥大症、あるいは「膀胱がん」のページで触れているような腫瘍がないかを確認します。根本的な原因が見つかった場合は、必要に応じて「当院で行っている手術」のページにあるような外科的処置を検討することもあります。
尿路感染症についてのよくある質問
Q1. 尿路感染症は人にうつりますか?
A1. 一般的な膀胱炎や腎盂腎炎は、ご自身の腸内にいる細菌が原因であることが多いため、プールや入浴などで他人にうつる心配はほとんどありません。ただし、一部の性感染症に起因する尿道炎などの場合は、接触によってパートナーにうつる可能性があるため、注意が必要です。
Q2. 市販の薬で治しても大丈夫ですか?
A2. 市販の漢方薬や殺菌剤で一時的に症状が和らぐこともありますが、細菌を完全に死滅させるには医師が処方する適切な抗菌薬が必要です。中途半端な治療は慢性化や重症化を招く恐れがあるため、泌尿器科を受診して原因を特定することをお勧めします。
Q3. 高齢者が尿路感染症になるとどうなりますか?
A3. 高齢の方の場合、若い人のように「排尿痛」などのハッキリとした症状が出ないことがあります。代わりに、急に元気がなくなる、食欲が落ちる、つじつまの合わないことを言う(せん妄)といった症状として現れることがあり、気づかないうちに腎盂腎炎へ進行しているケースも少なくありません。
Q4. 再発を防ぐために気をつけることはありますか?
A4. 清潔を保つことはもちろんですが、過剰な洗浄は必要な常在菌まで流してしまうため逆効果になることもあります。排便後は前から後ろに拭くこと、性交渉のあとは早めに排尿すること、そして何より疲れを溜め込まず免疫力を維持することが大切です。

