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膀胱瘻造設術

膀胱瘻造設術(ぼうこうろうぞうせつじゅつ)は、お通じや歩行と同じように大切な「排尿」という行為を支えるための、非常に重要な処置の一つです。私たちは、東京都足立区竹の塚にある泌尿器科・腎臓内科・透析を専門とする病院として、数多くの排尿トラブルに向き合ってきました。尿道からスムーズに尿が出せなくなると、痛みや不快感だけでなく、腎臓への負担や全身の健康状態にも影響を及ぼします。膀胱瘻(ぼうこうろう)は、下腹部から膀胱へ直接チューブを通すことで、尿を安全に体外へ出すルートを確保するものです。当院では、患者さんの生活の質(QOL)を第一に考え、苦痛を最小限に抑えた施術と、その後の丁寧な管理に力を入れています。尿のお悩みは非常にデリケートですが、我慢を重ねる前に、専門的な視点を持つ私たちにご相談ください。

膀胱瘻造設術の施術について

膀胱瘻造設術は、尿が通る道である「尿道」が何らかの理由で使えなくなった場合に、おへその下の皮膚から膀胱に向かって小さな穴を開け、そこから尿を出すためのカテーテル(細い管)を留置する手術です。施術そのものは比較的短時間で終わることが多く、当院では患者さんの身体への負担を考慮しながら慎重に進めています。

手術の具体的な流れ

手術は通常、局所麻酔を用いて行います。まず、超音波診断装置(エコー)を使用して、膀胱の中に尿が十分に溜まっていることを確認し、安全に管を通せる位置を精密に特定します。次に、下腹部を消毒し、麻酔を行った後に専用の穿刺針(せんししん)を用いて膀胱へアプローチします。針が膀胱内に到達したら、そこをガイドにしてカテーテルを挿入し、最後に抜けないように固定します。当院では、内視鏡や超音波などの検査設備を駆使し、安全性を重視した処置を心がけています。

術後の経過と管理

手術直後は、カテーテルが正しく機能しているか、出血や痛みがないかを確認します。穴を開けた部分は数日で安定し、その後は定期的にカテーテルを交換しながら生活を送ることになります。尿道に管を通し続ける「経尿道カテーテル」に比べて、膀胱瘻は尿道への刺激が少なく、尿路感染症のリスクを抑えやすいという特徴があります。また、下腹部に管があるため、歩行や着替えがスムーズになり、日常生活の自由度が高まるという大きなメリットがあります。

膀胱瘻造設術が必要となる主な病気や症状

どのような場合にこの手術が検討されるのでしょうか。主に、尿道から自力で排尿することが困難になり、かつ通常の尿道カテーテルの留置が難しい、あるいは不適切なケースが対象となります。原因となる疾患は多岐にわたりますが、代表的なものをご紹介します。

重度の前立腺肥大症

男性特有の臓器である前立腺が肥大し、尿道を圧迫して閉塞させてしまう状態です。薬物療法や他の手術治療が困難な場合、あるいは緊急で尿を出す必要がある場合に、一時的または恒久的に膀胱瘻が造設されます。詳細については「前立腺肥大症」のページを参照してください。

尿道狭窄症(にょうどうきょうさくしょう)

炎症や外傷によって尿道が狭くなり、管を通すことさえできなくなった状態です。この場合、無理に尿道から管を入れようとすると粘膜を傷つけてしまうため、腹部から直接ルートを作る膀胱瘻が適しています。

神経因性膀胱(しんけいいんせいぼうこう)

脳卒中、脊髄損傷、糖尿病の合併症などにより、膀胱をコントロールする神経がうまく働かなくなった状態です。尿を出し切ることができず、残尿が大量に発生すると腎機能の低下を招くため、安定した排尿ルートの確保が必要となります。詳しい排尿のトラブルについては「排尿障害」のページをご覧ください。

その他の適応ケース
  • 尿道周囲の感染症がひどく、尿道を安静にする必要がある場合。
  • 長期の介護が必要で、尿道カテーテルによる痛みや不快感を軽減したい場合。
  • 性生活を維持するために、尿道に管がない状態を希望される場合。
  • 高度な肥満や骨格の問題で、尿道からの導尿が物理的に困難な場合。

膀胱瘻のメリットと術後の日常生活

膀胱瘻を造設することに対して、最初は抵抗を感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、実際に管理を始めると、それまでの排尿の悩みから解放され、前向きに生活を送れるようになる方がたくさんいらっしゃいます。術後の生活における利点と注意点を知っておくことが、安心につながります。

日常生活における利点

最大のメリットは、尿道への刺激がなくなることで、痛みや「尿がしたいのに出ない」という切迫感が軽減されることです。また、尿道カテーテルのように股の間に管が通らないため、歩行時の違和感が少なく、椅子に座る動作も楽になります。管の出口が腹部にあるため、ご自身やご家族によるケアが視覚的に行いやすく、清潔を保ちやすいのも特徴です。

ケアとメンテナンス

造設した穴(瘻孔)は、石鹸とぬるま湯で優しく洗うだけで清潔を保てます。特別な消毒は不要な場合がほとんどです。カテーテルは通常、1ヶ月に1回程度の頻度で交換します。当院では、交換時の痛みを抑えるよう、滑りの良いカテーテルや麻酔ゼリーを使用するなど、細やかな配慮を行っています。尿路の健康を守るためには、定期的な受診が欠かせません。尿の異常については「尿路感染症」のページも併せてご確認いただければと思います。

入浴と服装について

手術部位が安定すれば、管を入れたままお風呂に入ることが可能です。浴槽に浸かっても問題ありません。服装についても、管を圧迫しないゆったりとしたものであれば、これまで通りのファッションを楽しむことができます。外出時には尿を溜めるバッグを足に固定するタイプ(レッグバッグ)を使用すれば、周囲からは管があることは分かりません。

膀胱瘻造設術についてのよくある質問

Q1.手術は痛いですか?

A1.手術は局所麻酔を行ってから進めます。麻酔の注射の際に少しチクッとする痛みはありますが、処置中に強い痛みを感じることはほとんどありません。当院では患者さんの不安に寄り添い、声をかけながら慎重に施術を行います。術後も痛み止めでコントロールできる程度の違和感で済むことが一般的です。

Q2.一度造設したら、一生そのままなのですか?

A2.原因疾患が改善すれば、膀胱瘻を閉鎖して元の尿道からの排尿に戻ることも可能です。例えば、前立腺肥大症の手術を受けるまでの一時的な措置として造設する場合もあります。一方で、尿道の機能回復が難しい場合は、長期にわたって管理を継続します。個々の状況に合わせて、将来の見通しについても丁寧にご説明します

Q3.管が詰まることはありませんか?

A3.尿の中の成分が固まって「尿石」となり、管が詰まる可能性はゼロではありません。しかし、水分をしっかり摂ることや、定期的なカテーテル交換を行うことで、閉塞のリスクは大幅に下げられます。万が一、尿が出なくなった、あるいは管の周りから尿が漏れるといったトラブルが起きた際は、すぐに対応いたしますのでご安心ください。

Q4.認知症がある家族でも大丈夫でしょうか?

A4.尿道カテーテルの場合、違和感からご自身で抜いてしまう「自己抜去」のリスクがありますが、膀胱瘻は視界に入りにくい位置に工夫したり、腹帯で保護したりすることで、トラブルを防ぎやすい面があります。介護をされている方の負担軽減にもつながるため、在宅介護を支える一つの手段として検討されることも多いです。

当院でおこなっている膀胱瘻造設術の診療について

勝和会病院では、泌尿器科の専門診療として、膀胱瘻造設術をはじめとする排尿管理に深く携わっています。私たちは単に「尿を出すルートを作る」だけでなく、その後の患者さんの人生がより豊かになることを目指しています。竹ノ塚駅から徒歩13分の立地にあり、地域の皆さんが通いやすい環境を整えています。

当院の強みは、マルチスライスCTやエコーといった精密な診断機器を備え、安全性の高い処置を迅速に行える体制です。また、当院は透析治療にも特化しているため、腎臓の機能が低下している患者さんや、全身管理が必要な方の手術にも柔軟に対応できます。排尿のトラブルは、慢性腎臓病の悪化を招く要因にもなるため、泌尿器科と腎臓内科が連携して診療にあたる当院の体制は、多くの患者さんにとっての安心材料になると自負しています。

私たちは、患者さんお一人おひとりのライフスタイルやご希望を尊重します。「できるだけ外出したくない」「介護の手間を減らしたい」「痛いのは絶対に嫌だ」といった本音をぜひお聞かせください。画一的な治療ではなく、その方に最も適した排尿管理の方法を一緒に考えてまいります。重い腰を上げて受診してくださった皆さんの勇気に応えられるよう、スタッフ一同、真心込めてサポートいたします。

腎機能や全身のケアについては「慢性腎臓病」のページも参考にしてください。

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